
近年、地球環境への配慮や光熱費の節約といった観点から、住宅の省エネ性能が注目されています。2025年から住宅の省エネ基準適合が義務化されたこともあり、マイホーム購入者にとって省エネ性能はこれまで以上に重要なポイントとなりました。
その中でよく耳にするのが「一次エネルギー消費量等級」という言葉。しかし、具体的にどのような基準なのか、どんなメリットがあるのか、分かりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、一次エネルギー消費量等級の基本から、省エネ基準や補助金制度、等級ごとの違い、住宅選びでのポイントまで、分かりやすく解説します。省エネ住宅の最新情報を知りたい方、補助金を活用してお得に家を建てたい方は、ぜひ参考にしてください。
一次エネルギー消費量等級とは?

一次エネルギー消費量等級は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」の中で定められた住宅性能表示制度の評価基準です。
まずは、その具体的な内容や、等級ごとの違いについて詳しく見ていきましょう。
一次エネルギー消費量等級とは?基準はある?
一次エネルギー消費量等級とは、住宅が一年間に使用する一次エネルギー量をもとに、その省エネルギー性能を判断するための指標です。一次エネルギーとは、石油や天然ガス、太陽光、原子力など、自然界から得られるエネルギー源のこと。私たちの暮らしでは、こうしたエネルギーが電気やガス、灯油といった二次エネルギーへと姿を変え、日々消費されています。
この等級では、国が定める「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づき、住宅の断熱性能や設備の効率などを総合的に評価します。
その際に用いられるのが、「BEI(Building Energy Index)」という数値。BEIは、設計住宅の一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で割って算出されるもので、「BEI=1.0」が基準値です。BEIの値が小さいほど省エネ性能が高いことを示します。
等級3~6の違いと、新設等級7・8について
現在、一次エネルギー消費量等級は等級1から等級6まで設定されており、等級が高くなるほど、より厳しい省エネ基準を満たしていることを意味します。
【等級ごとの違いとBEI基準値】
等級3(旧省エネ基準):BEI 1.1以下
等級4(現行の省エネ基準):BEI 1.0以下
等級5(省エネ基準より▲10%):BEI 0.9以下
等級6(省エネ基準より▲20%、ZEH相当):BEI 0.8以下
等級が高くなるほど家庭で使うエネルギー消費量が少なくなるため、光熱費の削減や環境負荷の軽減につながります。
なお、社会情勢の変化や省エネ技術の進展に対応するため、国土交通省では上位等級の新設も検討されています。今後、等級7(BEI 0.7以下)、等級8(BEI 0.65以下)といった、より厳しい基準が導入される予定で、省エネ住宅の基準は段階的に見直されていく見通しです。
一次エネルギー消費量等級の計算方法
具体的な等級を判定するには、住宅で使用するエネルギー(照明、給湯、冷暖房、換気など)ごとに消費量を算出し、一次エネルギーに換算します。その合計が基準値よりどれだけ低いかを比較することで、等級が決まる仕組みです。
計算は専用のソフトや国が提供する計算ツールを使い、建物の断熱性能や設備の種類、家族構成なども考慮されます。
基本的には設計士や住宅会社が計算・申請を代行してくれるため、施主が難しい計算をする必要はありません。ただ、「等級が高い=省エネ性能が高い」ことは覚えておきましょう。
断熱等性能等級との違い

省エネ住宅について調べていると「断熱等性能等級」という言葉もよく目にします。一次エネルギー消費量等級との違いを知り、理解を深めましょう。
断熱等性能等級(断熱等級)とは?
断熱等性能等級は、一次エネルギー消費量等級と同じく品確法の中で規定された住宅性能表示制度の基準の一つで、住まいの断熱性能をあらわす指標です。
外壁や天井、床などの断熱材や窓サッシの性能によって、外気の影響をどれだけ受けにくいかを評価します。等級1~7が設定されていますが、現在は省エネ基準「等級4以上」への適合が義務となっています。
断熱等性能等級が高い家は、夏は外からの熱が入りにくく、冬は室内の暖かさが逃げにくいのが特徴です。これにより冷暖房の効率が上がり、少ないエネルギー消費で快適な室温を保てるようになります。
一次エネルギー消費量等級と断熱等性能等級の違い
この二つはどちらも住宅の省エネ性能を示す等級ですが、評価するポイントが異なります。「断熱等性能等級」は建物の断熱性能を評価するのに対し、「一次エネルギー消費量等級」は建物全体のエネルギー消費量を評価します。
どちらも高いレベルを満たすことで、より光熱費が安く、一年中過ごしやすい快適な住まいとなります。
BELSとの関連性は?

一次エネルギー消費量等級に関連する言葉として、「BELS」も挙げられます。BELSは、省エネ住宅の性能を分かりやすく可視化するための制度です。
BELS(ベルス)とは
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)は、住宅や建築物の省エネ性能を第三者が評価し、5段階の星マークで表示する制度です。住宅購入者や施主が、省エネ性能をひと目で比較できるようにするための指標としての役割を果たします。
BELS評価書は、いわば住宅の「燃費」を示す証明書です。新築時に取得できるほか、モデルハウスや広告、不動産情報サイトなどで、その性能を示す指標として広く活用されています。
BELSの高評価は、住宅の資産価値向上に直接つながるだけでなく、補助金や税制優遇制度を利用する際の要件となることも多く、経済的なメリットも大きいのが特徴です。
一次エネルギー消費量等級とBELSの関係
BELS評価の中心となるのが、一次エネルギー消費量等級です。
BELSの評価は一次エネルギー消費量等級を判定する際にも用いられるBEIに基づいて行われ、値が小さいほど高い評価(多くの星)が得られます。具体的には、一次エネルギー消費量等級4がBELSの星2つに、最高等級の等級6はBELSの最高評価である星5つに相当します。
このように、一次エネルギー消費量等級はBELSの評価と密接に関連しており、等級が高いほどBELSの星も多くなるのです。
省エネ性能が高い住宅のメリット・デメリット

省エネ性能が高い家、例えば一次エネルギー消費量等級5~6レベルの省エネ住宅にはたくさんの魅力があります。しかし一方で、知っておきたい注意点もあります。省エネ住宅のメリット・デメリットを具体的に見ていきましょう。
メリット
・光熱費を大幅に削減できる
高い断熱性や気密性、最新の高効率設備を備えているため、冷暖房や給湯、照明など日常生活で使うエネルギー消費量を大きく削減できます。その分、毎月の光熱費が大幅に抑えられ、長期的な家計負担の軽減につながります。
特に等級6など、ZEH(ゼロエネルギーハウス)相当の住宅なら、太陽光発電などの創エネ設備と併用することで、さらに経済効果が高まるでしょう。
・一年中、快適で健康的な室内環境を保てる
高い断熱・気密性能によって、年間を通して室温が安定しやすく、夏も冬も快適な住環境を実現できます。家の中の温度差が小さくなるため、ヒートショックなど健康リスクの低減にも効果的です。結露やカビを防げるのも、小さなお子様や高齢者のいるご家族にとってうれしいポイントといえるでしょう。
・マイホームの資産価値が向上する
省エネ性能は、住宅性能評価書やBELSなどで客観的に評価され、住宅の付加価値となります。
2025年以降の基準適合義務化にも対応しているため、将来的に住宅を売却したり賃貸に出したりする際にも有利に働く可能性が高いでしょう。
・災害時の備えになる
太陽光発電システムや蓄電池を導入すれば、地震や台風による停電時にも自家発電で電気をまかなえます。万が一の際でも、最低限のライフラインを維持できる安心感は大きな魅力です。
デメリット
・初期費用(建築コスト)が割高になる
高性能な断熱材や窓、高効率の給湯・換気・空調設備などを採用するため、一般的な住宅より初期費用が高くなる傾向があります。「せっかく建てるなら…」と夢がふくらむほど、予算との相談も必要になるかもしれません。
ただし省エネ住宅には、国・自治体の補助金制度や、住宅ローン金利・税の優遇制度などが豊富に用意されているため、うまく活用できれば、費用負担を大幅に抑えられます。
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・設備によっては維持費がかかる
太陽光発電や蓄電池、全館空調などの先進設備を導入すると、定期的な点検や部品交換などのメンテナンス費用が発生します。長期的に必要になる、設備の更新費用も考慮しておきましょう。快適さと引き換えに、多少の維持費や手間がかかる点は、事前に理解しておきたいポイントです。
技術が進化し、私たちの暮らしも大きく変わりつつあります。省エネ性能の高い家は、未来の安心と快適を約束してくれる新しい住まいのかたちです。メリットとあわせてデメリットも理解しながら、ぜひ前向きに検討してみてください。
省エネ住宅に関する補助金・優遇制度

一次エネルギー消費量等級が高い省エネ住宅といえば、ZEH住宅や長期優良住宅などが挙げられますが、こうした住宅を選べば補助金制度や各種優遇制度を活用できる可能性があります。新築を検討している方は、制度を賢く利用してコストを抑えましょう。
国や自治体の補助金制度
2025年現在、省エネ住宅の普及を目的として、国や多くの自治体がさまざまな補助金制度を設けています。
主な国の補助金制度では、「子育てグリーン住宅支援事業」「給湯省エネ2025事業」「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化等支援事業」などがあります。いずれも住宅の省エネ性能や設備仕様、世帯条件など、一定の要件を満たすことが必要です。
また、地方自治体によっては、独自の補助金や助成金を用意しているケースもあります。例えば、太陽光発電や蓄電池の設置補助、一定の性能基準を満たす省エネ住宅への助成など、地域によって内容や金額が異なります。
マイホーム建築予定のエリアの自治体ホームページや建築予定の住宅会社から最新情報を確認し、積極的に活用してみましょう。
住宅ローンや税金に関する優遇制度
省エネ性能の高い住宅は、税金やローンの面でも優遇を受けられる可能性があります。
例えば、住宅金融支援機構が提供する固定金利型の「【フラット35】S」では、省エネ性能や耐震性など一定の基準を満たす住宅を取得すると、借入金利が一定期間優遇されます。
また、「住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)」においては、省エネ性能に応じて控除額がアップし、より大きな節税効果を得られるのが魅力です。
このほか、固定資産税や不動産取得税、登録免許税などでも、基準を満たせば特例措置の対象となり、経済的な恩恵を数多く受けられます。
これらの優遇制度は内容が随時見直されるため、住宅会社の担当者や金融機関、自治体の窓口に問い合わせ、最新情報をチェックしておきましょう。
まとめ|ヤング開発の家は最高等級の一次エネルギー消費量等級6!

一次エネルギー消費量等級の基本や省エネ性能の高い住宅のポイント、補助金や優遇制度について紹介してきました。これから住宅選びや新築を検討している方にとって、省エネに関する等級はとても重要なチェックポイントです。ぜひ理解を深め、マイホームづくりにお役立てください。
ヤング開発では、国が定めた最高等級である「一次エネルギー消費量等級6」基準はもとより、今後新設される予定の、最高等級「等級8」もクリアする家づくりを行っています。高い断熱性能や最新の設備を採用し、光熱費の節約はもちろん、1年を通して快適に過ごせる住まいを実現。
「せっかく建てるなら、ずっと快適で家計にも環境にもやさしい家を選びたい」そんな想いをお持ちの方は、ぜひ一度、ヤング開発へご相談ください。経験豊富なスタッフがお客様一人ひとりのご要望に寄り添い、最適なご提案から補助金・優遇制度の活用まで、ご満足いただける住まいづくりを全力でサポートいたします!
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※本記事は2025年8月現在の情報に基づいて作成されたものです。最新の情報は、各制度の公式ホームページでご確認ください。


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