
洗って、干して、畳んで、しまう。毎日の洗濯は、家事の中でも特に重労働です。濡れて重くなった洗濯物を持って階段を上らなくてはならなかったり、雨続きで居住スペースが部屋干しに占領されたりと、悩みも尽きません。
そこでおすすめしたいのがランドリールーム。洗濯に関する作業が1ヶ所で完結し、家事ラクと時短をかなえられる空間です。この記事では、新築住宅におけるランドリールームの間取り設計のコツや、実際の事例などを詳しく解説します。
ランドリールームってどんな場所?

ランドリールームとは、洗濯の一連の作業を行う専用部屋のこと。洗濯室や家事室とも呼ばれ、共働き世帯や子育て中のご家庭を中心に、新築住宅で採用するケースが増えています。
洗濯の作業を1ヶ所でこなせる専用スペース
ランドリールームの特徴は、「洗う・干す・畳む」という洗濯の工程を1ヶ所で完結できる点です。
従来の家事動線では、1階に置いた洗濯機で洗い、2階のベランダで干し、室内に取り込んでから畳んで、各部屋へ運ぶといった具合に、家の中を行ったり来たりする必要がありました。ランドリールームがあれば、こうした移動を省けます。専用の作業場があることで、リビングや個室が洗濯物で散らかるのを防げるのもうれしいポイントです。
サンルームとの違い
ランドリールームとよく比較されるのが「サンルーム」です。洗濯物を干すための場所としては共通ですが、サンルームは屋根や壁がガラス張りになっているケースがほとんど。太陽光をたっぷり取り込んで干せるのが魅力ですが、外気の影響を受けやすいデメリットも。夏は暑く冬は寒くなりがちで、天候によっては乾きにくいこともあるでしょう。
一方、ランドリールームは室内に作られるため、断熱性や気密性が保たれています。除湿機や空調を併用すれば、天候や季節に左右されず、一年中安定した環境で効率よく洗濯物を干せるのがサンルームとの大きな違いです。
ランドリールームを設ける3つのメリット

ランドリールームを設けるにはスペースが必要になるため、本来なら居室や収納に充てられるはずの貴重な面積を割かなければなりません。それでも多くの人が採用するのには理由があります。ランドリールームがもたらす3つのメリットを見てみましょう。
毎日の洗濯動線がスムーズになる
最大のメリットは、洗濯動線がコンパクトでスムーズになること。
洗濯機から取り出した重い衣類を、その場ですぐに干せる。これだけで家事の負担は大きく減ります。乾いた後は、その場で畳んだりアイロンをかけたりもできるため、わざわざ別の部屋へ移動する手間がありません。
毎日忙しい共働き世帯にとって、この時間と手間の節約は、生活に大きなゆとりをもたらしてくれます。浮いた時間を家族団らんや自分の好きなことに使えたら、暮らしの満足度も上がりますね。
天候や外気を気にせず干せるようになる
「今日は雨だから外に干せない」「今は晴れているけど、外出中に夕立があったら洗濯物が濡れてしまう」といった、天気予報とのにらめっこから解放されるのもランドリールームの魅力です。室内干しが基本となるため、梅雨や台風、雪の日なども関係なく洗濯できます。
また、春先の花粉や黄砂、PM2.5などに悩まされる必要もありません。もちろん近隣からの視線も防げるので、プライバシーや防犯の観点からも安心です。
居住スペースの生活感を抑えられる
外に干せない日、リビングや個室のカーテンレールにハンガーを掛け、部屋中が洗濯物だらけという光景は避けたいものです。せっかくのリラックスタイムも、視界に洗濯物が入るとどうしても気になってしまい、心からくつろげないこともあるでしょう。
ランドリールームがあれば、扉で仕切られた専用スペースですべての洗濯物を干すことが可能。居住スペースを常にすっきりとした状態にしておけるので、室内の見た目を損ないません。急な来客があっても、ランドリールームの扉を閉めるだけで生活感を隠せるので、慌てて片付ける必要もなくなります。
ランドリールームの導入前に知っておきたい3つのデメリット

設置すると生活が便利になるランドリールームですが、設置するにあたっては注意すべき点もあります。ここでは、ランドリールームを間取りに取り入れる前に知っておきたい、3つのデメリットを紹介しましょう。
内装設備費が高くなりやすい
ランドリールームを設置する場合、通常の部屋と異なり、配管の整備や作業用の造作家具などが必要になるため、建築コストは上がりやすくなります。
具体的には、湿気を逃がすための換気システムや、調湿機能のある壁材、室内干し用の物干しユニット、畳んだりアイロンをかけたりするための作業カウンターなどは、追加費用として見込んでおきたいところ。さらに、予洗いや手洗いのためのスロップシンクを設置したり、ガス式衣類乾燥機を設置したりする場合は、給排水管やガス管を引き込む費用も盛り込む必要があります。
毎日の家事負担の軽減と費用のバランスを踏まえ、導入すべきか慎重に検討しましょう。
他の居住スペースを圧迫することがある
特に都市部の狭小地に家を建てる場合、限られた面積でランドリールームを確保しようとすると、その分、他の部屋を削らざるを得ない可能性があります。「リビングをもう少し広くしたかった」「シューズクローゼットやパントリーを設けたかった」など、間取りで後悔することがないよう、優先順位をしっかり決めたうえで導入を検討しましょう。
とはいえ、洗濯は毎日しなければならない作業であり、干す場所や畳む場所はどこかしらに確保しなければなりません。洗濯のすべてが1ヶ所で完結すると考えれば、ランドリールームにスペースを割くことは、住まい全体の快適さを高めるための合理的な判断といえます。
対策不足だとカビや臭いがこもりやすくなる
ランドリールームは、多くの濡れた衣類を干す場所。それだけに湿気対策が不十分だと、部屋に湿気が留まり、カビが発生したり生乾きの嫌な臭いが染み付いたりします。衣類を清潔にするはずの場所が不衛生になってしまっては本末転倒です。
こうした事態を防ぐには、スペースを確保するだけでなく、室内の空気を動かし除湿する仕組みを取り入れることが大切。換気扇を設置するのはもちろん、除湿機で乾燥を促したりサーキュレーターで空気を循環させたりすれば、毎日の洗濯物干しが快適になります。
ライフスタイルに合わせた3つの間取りタイプ

一口にランドリールームといっても、配置や形状はさまざま。延床面積や家族のライフスタイルに合わせて、最適な間取りタイプを選びましょう。
水まわりをまとめた洗面脱衣所との一体型
洗面所・脱衣所を少し広めにとり、ランドリールームの機能を兼ねさせる、もっとも一般的で採用しやすいスタイルです。独立したスペースを確保する必要がないので、面積が限られている住まいでも導入しやすいでしょう。
ただし、誰かが入浴している間は、ランドリールームとして使いづらくなる点に注意が必要。家族それぞれの生活サイクルが違う場合は、洗面・脱衣スペースとランドリースペースの間にロールスクリーンや引き戸などの仕切りを設けるのがおすすめです。こうすれば、家族が入浴中でも気兼ねなく洗濯機を回したり、洗濯物を干したりできるでしょう。
他の部屋から独立した専用スペース型
洗面所や脱衣所と空間を完全に分け、洗濯のためだけの個室として独立させるタイプです。家族の入浴や洗面を気にせず、24時間いつでも洗濯できるのがメリット。また、湿気が脱衣所や洗面所に漏れにくいので、カビ対策もしやすくなります。ただし、専用のスペースを確保しなければならないので、一体型より広い空間が必要です。
家事スペースと入浴・洗面スペースを明確に分けたい方や、夜間に洗濯することが多い共働き世帯に向いているでしょう。
ファミリークローゼット併設型
ランドリールームに隣接して、家族全員の衣服を収納できるファミリークローゼットを設置するタイプです。このタイプなら洗濯物をしまう作業も1ヶ所で完結するので、より家事ラクな住まいをかなえられます。
ファミリークローゼットにハンガーラックを設置しておけば、ハンガーで干した状態のまま、隣室のパイプに掛けるだけで収納が完了。ランドリールームで畳んだ衣類も、ファミリークローゼットの棚にしまえば洗濯は終わりです。いつも忙しい共働き世帯や子育て世帯にとって、洗濯物を各部屋にしまう必要がないのは大きな助けになるはず。スペースに余裕があるなら、ぜひ検討したい間取りです。
失敗を防ぐ!ランドリールームの間取り設計5つのポイント
せっかくランドリールームを設けるなら、使い勝手のいいスペースにしたいところ。ランドリールームの機能性や快適性をアップするため、設計段階で押さえておくべきポイントを5つ紹介します。
家族の人数に合わせた広さを確保する
ランドリールームの広さの目安は2〜3帖ですが、ポイントになるのは「どうやって乾かすか」です。
すべてを物干し竿に吊るすなら3帖程度は必要ですが、ガス式衣類乾燥機(『乾太くん』など)を導入する場合、干すスペースは最小限(1.5〜2帖)で済むことも。乾燥機にお金をかける分、床面積を節約するという考え方も合理的です。
また、人が通る通路幅は、洗濯カゴを持って移動することも想定し、最低でも70cm〜80cmは確保しましょう。
洗面所やキッチンとつないで回遊性を高める
ランドリールームを計画する際は、洗濯だけでなく、他の家事のやりやすさも考えて配置を検討しましょう。おすすめは、回遊動線上にランドリールームを設置することです。
例えば、ランドリールームとキッチンが行き来できるようになっていれば、料理と洗濯を同時並行で進めやすくなります。玄関から洗面所・ランドリールーム・パントリーと直接アクセスできるようにすれば、買い物からの帰宅時、お子様の手洗いや着替えを済ませつつ、買ってきた物をすぐ収納できますよね。
このように、ランドリールームを中心とする回遊動線は効率的。加えて、掃除機もUターンせずに一気にかけられるので、掃除まで楽になります。
窓よりも気流と除湿を優先する

ランドリールームで洗濯物をカラッと乾かすには、日当たりよりも空気の動きと湿度管理が重要です。「日当たりや風通しを良くするために大きな窓を」と考えがちですが、ランドリールームに必ずしも窓を設ける必要はありません。最近の高気密住宅では窓を開けるよりも、除湿機やサーキュレーターで湿度管理をするほうが、早くカラッと乾くからです。
窓は明かり取り程度に考えてOK。むしろ、壁に収納を作ったり、除湿機用のコンセントを低い位置に設置したりと、機能性を優先して考えましょう。
収納を十分に確保する
洗濯の一連の作業を行うランドリールームでは、衣類用洗剤、アイロン、ハンガー類など多くのアイテムを使います。洗面脱衣所を兼ねるなら、さらに洗面用具やお風呂用具のストック、タオル類などもしまっておかなければなりません。
こうしたアイテムがあふれてしまわないよう、ランドリールームには十分な量の収納を確保しましょう。単に収納を増やすのではなく、しまうアイテムをリストアップし、収納物のサイズや使う場所に合わせて計画することも大切。収納が使いやすいと、ランドリールームの機能性がアップします。
作業しやすいカウンターの広さと配置にする

ランドリールームには、洗濯物を畳んだり、アイロンがけをしたりする作業用のカウンターがあると便利です。立ったまま作業する場合、高さは80cmから85cm程度が使いやすいでしょう。ただし、これは標準的な目安なので、よく使う方の身長に合わせてサイズを調整するのがおすすめです。
カウンターでシャツやタオルを広げて畳むなら、幅100cm以上、奥行き60cm程度の広さがあるとスムーズ。カウンターの下をオープンにしておけば、洗濯カゴや衣装ケースをすっきり収納でき、空間を無駄なく使えます。
ランドリールームの機能性がアップする便利設備
ハンガーラックと作業カウンター、収納があれば、とりあえずランドリールームは完成します。しかし、機能性をさらにアップしたいなら、次に紹介する設備を検討するとよいでしょう。
ガス式衣類乾燥機

ランドリールームの設備として特に人気が高いのが、「乾太くん」をはじめとする、ガス式衣類乾燥機です。ガス式は電気式に比べて圧倒的にパワフルなのが特徴。コインランドリーのような強い温風で、電気式の約1/2〜1/3程度の短時間でふわふわに仕上げてくれます。洗濯の時短になるうえ、洗濯物を干す・取り込むという作業が不要になるのもうれしいポイントです。
タオルや下着類は乾燥機に任せ、縮みやすい服だけをランドリールームに干すようにすれば、干すスペースも削減できます。
なお、ガス式衣類乾燥機の導入にはガスの配管や、湿気を逃がすための排湿管工事が必要になります。導入を考えているのであれば、必ず設計段階から計画に組み込みましょう。
昇降式の物干し竿
ランドリールームに欠かせない物干し竿。天井に取り付けるタイプの中には、使う時だけ降ろせる昇降式もあります。使わない時は天井に収納しておけるので、空間をスッキリと見せられるのが魅力です。
昇降式には、手動式と電動式があります。手動式は紐や棒で操作する必要があり、重量のある濡れた洗濯物を毎日上げ下げするとなると、大きな負担になることも。予算が許せば、リモコン一つで楽に上げ下げできる電動式を選ぶのがおすすめです。
予洗いに使えるスロップシンク
スロップシンクとは、深さのある大型の流しのこと。泥だらけの運動靴や掃除後の雑巾など、洗面台で洗うには少し抵抗がある汚れ物を洗うのに大活躍します。深さがあるのでつけ置き洗いもしやすく、頑固な汚れ落としにも使えるでしょう。
スロップシンクを設置する際は、お湯が出る混合水栓にするのがベター。冬場でも、予洗いやつけ置き洗いを抵抗なくできます。
また、ワンちゃんを飼っている方なら、散歩から帰ってきたワンちゃんの足の洗い場としても重宝しますよ。
便利動線で家事ラクをかなえるランドリールームの間取り実例3選
ここからは、ヤング開発のモデルハウスの中から、ランドリールームの間取り実例を3つ紹介します。ぜひ、ライフスタイルに合わせた動線設計の参考にしてみてください。
【事例1】ファミリークローゼット併設のランドリールーム

家事効率を最優先したスタイルです。脱衣室を兼ねたランドリースペースの隣に、家族全員の服をしまえる大容量のファミリークローゼットを配置。乾いた洗濯物は、ハンガーのまま数歩移動してクローゼットへ移すだけです。

脱衣室で使うバスタオルや下着類は、収納の上のスペースで畳んで、下の専用収納にしまっておけばOK。朝の身支度や帰宅後の着替えも、すべてこのエリアで完結するため、忙しい時間帯も効率的に動けます。
【事例2】帰宅動線上のランドリースペース

玄関から土間収納、洗面室、ランドリールーム、そしてパントリー・LDKへと抜ける通り抜け動線を採用した事例です。帰宅後、脱いだアウターを土間収納のパイプに掛けたら、すぐに手洗いを済ませ、汚れた服を洗濯機にイン。部屋着に着替えて、買ってきた物をパントリーにしまうという、実にスムーズな動線になっています。

外の汚れを生活空間に持ち込まず、自然な流れで衛生管理ができるのも大きな魅力。お子様が外から汚れて帰ってきても、廊下やリビングを通らずにお風呂へ直行できるので、部屋が汚れる心配もありません。
【事例3】独立型の広々とした家事室

最後に紹介するのは、洗面脱衣室と独立した、3帖のゆとりある家事室を設置した間取り。こちらも、玄関から土間収納、洗面室、家事室を通ってリビングへ向かう動線が確保されているため、帰宅時の動線がスムーズです。

家事室が完全に独立しているうえ、リビングから直接入れるので、家族の入浴時や洗面時も気兼ねなく洗濯できます。ファミリークローゼットはありませんが、階段が近いので、各部屋の収納に衣服をしまいに行くのも楽です。
ランドリールームについてよくある質問(FAQ)

最後に、新築住宅でのランドリールームの設置について、よくある質問に答えていきます。
スペースが限られていても作れますか?
はい、工夫次第で作れます。独立したスペースを確保するのが難しくても、洗面所の広さを0.5帖から1帖ほどプラスするだけで、ランドリースペースの機能を追加できるでしょう。
また、廊下を減らして空間を生み出すなど、間取りの無駄をなくすことで場所をつくれる場合もあります。まずは、住宅会社に「洗濯家事をラクにしたい」と相談してみましょう。
ランドリールームに窓や換気扇は必要ですか?
換気扇は必須ですが、窓はなくても問題ありません。
ランドリールームには大量の濡れた洗濯物を干すため、通常の24時間換気システムだけでは除湿が追いつかず、カビが発生してしまうリスクも。必要な時に強い力で排気できる、独立した換気扇を設置しましょう。
窓については、風を通して乾きを早くする効果があるものの、雨や風の強い日はそもそも開けられません。防犯や断熱性能を優先して、ガス式乾燥機もしくは除湿機とサーキュレーターで、確実に乾かすスタイルが最近の主流です。
ランドリールームは北向きでも大丈夫ですか?
まったく問題ありません。ランドリールームは直射日光で乾かすのではなく、風と空調で乾かす場所だからです。直射日光が入らない北向きのスペースなら、衣類の日焼けを防げて、むしろ好都合といえます。
また、水まわりを北側に集約し、日当たりのいい南側をリビングや子ども部屋に充てれば、暮らしの満足度も上がるでしょう。
まとめ|使いやすいランドリールームのある家で家事ラクをかなえよう!
ランドリールームは、単に洗濯物を干すための場所というだけでなく、毎日の家事負担を減らし、時間と心にゆとりをもたらしてくれる頼もしい空間です。今回紹介した設計のポイントや便利設備を上手に取り入れ、機能的なランドリールームのある間取りを検討しましょう。
ヤング開発の「注文家創り」は分譲住宅でありながら、未着工物件に関しては、お客様一人ひとりのご希望で間取り変更も承っています。専任の建築デザイナーがフルサポートするので、使いやすい家事ラクの間取りもご提案が可能です。洗濯動線を良くしたい、収納を充実させたいといったご希望があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
ヤング開発の家づくりを実際に体感したい方は、明石・西神戸エリア、高砂・加古川・土山エリア、姫路エリアにあるモデルハウスでお待ちしています。
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